【シリコンバレーでエンジニアとして就職する方法】現役GAFAエンジニアが解説

  • 「1回は世界のITの中心シリコンバレーで働いてみたい」
  • 「シリコンバレーに就職したいけど、何から始めればいいの?」
  • 「シリコンバレーでエンジニアとして就職して、人生を変えたい!」

生涯に1回でいいから世界のITの中心シリコンバレーで働いてみたい。

でも今の自分のキャリアやスキルだとシリコンバレーで働くなんて夢のまた夢。

Zen
その気持ちが痛いほどわかります。数年前までの私はまさしくその状態でした。

この記事は、シリコンバレーでの就職を経験し、現在はGAFAでエンジニアをしている筆者が、一人でも多くの日本人にシリコンバレーでの就職方法を知ってもらいたく、執筆したものです。

Zen
シリコンバレーへの就職という一世一代の大勝負に出るには、生半可な気持ちではダメです。

平凡な会社員からシリコンバレーでエンジニアとしての就職に成功した筆者から、シリコンバレーでのエンジニア就職というキャリアの大逆転を目指すためにどうすべきかをお伝えします

この記事を読んでわかること
  • シリコンバレーとは何かや、シリコンバレーの魅力
  • 筆者体験談に基づく、シリコンバレーでエンジニアとして転就職するための具体的方法
  • シリコンバレーでのエンジニア転就職を成功させるために大切なこと

世界のITの中心、シリコンバレーの魅力

スタートアップの聖地として知られているシリコンバレー。

筆者を含め人々はなぜそこで働きたがるのかと言えば、ずばり「シリコンバレーだから」です。

Zen
筆者もネームバリューに惹かれました。ミーハー根性です。

カリフォルニア州沿岸部に位置するシリコンバレーには、新しいビジネスを生み出すエコシステムが完成されています。

巨額の資金のもとに世界中から優秀な人材が集まり、テクノロジーが強化され、新たなスタートアップ企業に投資や買収が日夜行れています。

中国のシンセンやイスラエルも力を付けていますが、ビジネスで一攫千金を狙うならやはり「シリコンバレー」がベストだと思います。

シリコンバレーが築き上げてきた仕組みについてご説明します。

シリコンバレーには巨額の富が集まる

シリコンバレーを支えているものの一つが、大企業による投資やVC(ベンチャーキャピタル)です。

シリコンバレーでVCがスタートアップ企業に投資する額は、約600億ドルにも上ります。

これは日本円に換算すると約6兆円で、小さな国の国家予算に匹敵する額です。

Zen
小さな国の国家予算に相当するお金がスタートアップへの投資に回っていると聞くと、いかにすごいかがわかりますね!

ちなみに日本でのVC投資額は2000億円と、シリコンバレーの30分の1の規模です。

日本はアメリカに比べるとスタートアップ企業が上場する際の評価額も低く、新興企業向け株式市場のマザーズに時価総額100億円を超えて上場することが目的になってしまっている企業も多いのです。

対してアメリカでは時価総額1000億円以上になっても未上場のままとする「ユニコーン」と呼ばれる企業がかなり存在します。

アメリカのスタートアップ企業にとってユニコーンになることは過程でしかなく、どうやって世界を獲るかを考えていて、日本のそれとは視点がまるで異なります。こうしてシリコンバレーに巨額の富が集まることで、世界と戦える優秀な人材も集中します。

Zen
鶏・卵問題になりますけど、シリコンバレーにはスタートアップを育てるだけの潤沢な資金があるんです。

最先端のテクノロジーを求める起業家とエンジニア


世界中から資金が集中するシリコンバレーには、一攫千金を夢見る起業家と優秀なエンジニアも集まります

起業家はテクノロジーで世界を変えることを、エンジニアは世界最先端のテクノロジーを生み出すことを目指しています。

起業家を支えている投資家には、VCだけではなく「エンジェル」と呼ばれる個人投資家もいます。シリコンバレーは上場企業の数が多いことから、そこでの勤務経験を活かしてエンジェルになる人がたくさんいて、若手の起業家に早い段階で投資を開始し育成します。

Zen
エンジェルになりたい(遠い目)。
Zen
シリコンバレーには『挑戦』に対して寛容な文化があります。

こうして起業家のスタートアップが育つ環境が整い、日夜新しいテクノロジーを生みだそうとエンジニアも集まると、最先端技術を学びたいという人たちがさらに集い、結果として中国やインドなど世界中から優秀な人材がチャンスを求めてやって来ます。

シリコンバレーにはチャンスが多い


シリコンバレーの魅力の一つとして、「チャンスが多いこと」も挙げられます

日本でも適切な所に行けば起業家への支援を受けられるでしょうが、シリコンバレーでは探さなくてもどこにでもあり、なお且つ敷居が低いのです。

例えば、「インキュベーション」と呼ばれるスタートアップ企業を育成するためのビルがあちこちにあります。

イメージ例を挙げると、1階にスタートアップが何社も入っていて、ドアをノックしたら話を聞いてもらえて、2階にはVCや投資を行う大企業が入っていて、アポを取ればすぐ会ますし、プレゼンをして認められたら稟議にかけてもらえるといった感じです。

シリコンバレーでは、スマホで「エンジニア 勉強会」や「ピッチ(短いプレゼン)イベント」で検索するとたくさんのヒットがあり、毎日どこかでイベントが行われていて支援プログラムも豊富にあります。(英語ですけどね)

Zen
有名なスポットであるRed Rock Coffee(Café)に行くと、若者が投資家のおじさんにピッチをしているのをよく見かけます。
Zen
同じおじさんでも、パ○活のおじさんとは天と地ほど違います。
Zen
ちなみにRed Rock Coffee(Café)に行くと、みんなMacでコーディングしているので異様な空間です。

もちろん職種によっても変わりますが、エンジニアや世界のトレンドに関わるような仕事をしている人には、シリコンバレーはチャンスの多い場所です。

温暖な気候

世界を牽引するGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)をはじめとする、名だたるIT企業がシリコンバレーに集まった理由の一つとして、意外と思われるかもしれませんが、温暖な気候も関係しています。

平均気温20度と暖かく、年間を通して気温の変化があまりないのでとても過ごしやすいです

冬でも寒くてコートを着るのは年5日ほど。夏はロサンゼルスと比べると35度を超えることもないので、暑すぎずカラッとしていて快適です。

また、朝5、6時頃から太陽が昇り、夜19、20時頃まで明るいことから、十分に日の光を浴びることができて気分も楽観的になり精神の安定に繋がります。

Zen
新しいアイディアを生み出すには、快適な気候も大事です。
Zen
19時ごろになっても明るいこともざらなので、なんか得した気分になります。

コラム:シリコンバレーの住環境【意外と不便】

筆者は、テクノロジーの聖地であるシリコンバレーで働くことが夢でした。

Zen
観光で行ったけど何が凄いのか分からなかったので「よし住んでみよう!」となりました。

念願のシリコンバレーで職を得て、いざ住んでみての感想は…「田舎」です。

Zen
日本の田舎の方が都会かもしれないぐらいド田舎で、何にもないです。

テクノロジーが終結したスマートシティを想像されているかもしれませんが、高いビルはありません。(本当にないです)

開けた土地にドーンと大きな事務所や研究所を設けていて、日本の地方にある大学キャンパスのイメージが近いです。

電車は30分に1本ほどなので使わず、移動手段は基本的に車です。食事はデリバリーサービスや車で時間をかけてレストランまで行きます。

ショッピングモールもあまりないので不便極まりないです。学校などの教育施設はあるので家族で住むにはいいですが、遊びたい単身者は車無しでも生活できる都会のサンフランシスコに住みます。

Zen
遊ぶところがないので、仕事するしかないって感じです。

”世界のITの中心、シリコンバレーの魅力” まとめ

  • シリコンバレーには、新しいものを生み出し続けるエコシステムがある
  • シリコンバレーには、巨額の富と優秀な人材が世界中から集まる
  • ビジネスで一攫千金を狙うなら、シリコンバレーにチャンスがある

シリコンバレーでエンジニアとして働くのに必要な、3つのモノ

シリコンバレーにおいて起業家ではなく労働者として雇ってもらうには、労働需要とマッチすることが大切です。

必要となるものは、合法的に就労するための「Visa」と、企業に欲しい人材だと思わせる「専門性」、働くうえで必要となる「英語力」の3つです。

Zen
企業にメリットが無いと、わざわざ日本人は雇われません。

3つの条件を踏まえたうえで、シリコンバレーで働くという狭き門をどうこじ開けるのかが大切です。

取得困難な就労資格(Visa)

大前提としてアメリカに滞在し働くにはVisaが要るので、発行のサポートをしてくれる企業に雇ってもらう必要があります

そして、アメリカの企業はVisa発行にあまり積極的ではありません。一般的な労働VisaであるH-1B Visa(1回の発行で3年、延長すると6年アメリカで働ける)は、政府の発行数が1年間で4万件と決まっており、中国やインドからもどんどん入国している昨今では、取得の倍率が6倍になっています。

よって、企業は取得申請をしてもなかなか通らないので、Visa発行をやりたくないのが本音なのです。

手続きもVisaを発行している移民局とのやり取りに強い弁護士でないと困難です。

Zen
筆者の場合は、手続きも企業側がしてくれることを条件に入社しました。

Visa発行の手間が無いアメリカ人や、既にグリーンカード(永住権)を持っている人と比べて、わざわざ雇う理由が必要な中で力を発揮するのが、次の章で説明する「専門性」です。

カギとなるのは専門性

シリコンバレーで必要とされる専門性のうちで、一番需要が高いのはソフトウェア関連です。高収入の求人の8割以上をソフトウェア関連、つまりエンジニアが占めます。

その他に公認会計士や弁護士などもあります。営業職でとなるとかなり枠は狭まり、その場合はネゴシエーションスキルやマーケット情報を持っているなど、さらなる専門性が問われます。

Zen
『英語が話せる』は専門性に含まれません。アメリカ人の方が上手ですからね。

なお、移民局のWebサイトでは、1年間で発行するVisaの割合を職種ごとに確認できます。エンジニア以外の職種でシリコンバレーに行くことを検討しているのであれば、どれぐらいの可能性があるのか確かめてみると良いでしょう。

Zen
例えば、エンジニアが3万件発行されているのに対し、営業職が5件しかないのならかなり険しい道になります。その場合は起業家や駐在でシリコンバレーに行くという手を考えるのもありです。

なぜここまでエンジニアのニーズが高いかというと、ソフトウェアが全ての分野において仕事の在り方を変えつつあるからです。

農業を例に挙げると、ソフトウェアが融合することでドローンを使った農薬や肥料の散布が可能となったり、データで生産管理ができたりと効率化が図れます。

これらのプログラムを作るために、最近では農家でもエンジニアを雇っています。学校やNPOですらCTO(Chief Technology Officer)やCPO(Chief Product Officer)としてエンジニアを雇うことが世界のトレンドとなっていて、需要はどんどん上がり続けています。

業務に不可欠なのが英語力

わざわざ外国人労働者を雇うだけの専門性があったなら、次に求められるのは英語力です

職種や立場によって、求められる英語力は変わります。エンジニアとして働くための英語力は、次のようにポジションごとに高まります

一番下のポジションなら、エンジニア同士チャットツール上で意思疎通ができるレベルの英語でOKです。

一つ上のランクになると、チームミーティングの内容が理解できるレベル、その次はチームミーティングで話せるレベルが要求されます。

もしマネージャーになりたいのなら、チーム内のコミュニケーションを活性化させる役割に応じた英語力が、さらに社外とのやり取りが必要なポジションとなると、自分の言いたいことを論理的に伝える英語力が求められます。

Zen
専門性がクリアできても英語が話せなければ、雇ってもらえないです。

シリコンバレーの中でもGAFAへの転職を目指している方は、GAFAの具体的な転職対策をまとめたこちらの記事も参考にしてみて下さい。

>>【GAFA転職対策はこれで決まり】GAFAへの転職成功に必要な3つのポイント【GAFA転職ルートも解説】

"シリコンバレーで働くのに必要な、3つのモノ"まとめ

  • わざわざ外国人労働者を雇う理由が無ければ、Visaを発行してもらえない
  • 企業に求められる専門性の中で、一番需要が高いのはソフトウェア関連
  • 実際に働くには英語でのコミュニケーションが必須

【筆者の実体験】シリコンバレーでエンジニアとして就職するまで

これまでは、シリコンバレーの魅力とそこで働くのに必要な条件をお話しました。

世界の中心であるシリコンバレーで就労することがいかに狭き門か、お分かりいただけたかと思います。

では次に、筆者はどのようにしてシリコンバレーに挑んだのか、またどのようにしてシリコンバレーでエンジニアとしての就職を成功さたのか、経験談をご紹介します

Zen
最初から最後まで苦労の連続でした。

chapter1 日本からシリコンバレーの企業へ応募するも、全滅

シリコンバレーで働くことは、以前からの夢でした。

筆者はアメリカでも名の通った外資系の会社で経営企画のポジションにいたので、もしかしたら面接ぐらいまではいけるのではと思い、早速応募してみるもなしのつぶて。

1社だけ連絡が来ましたが、英語で書かれたメールの意味が分からず、怖気づいて断念しました。

Zen
外資系に勤めていたけど社内で英語を話すことも無く、むしろ避けていました。そんな英語レベルでなぜイケると思ったのか、謎です。

よくよく調べてみると、英語力に加えてアメリカで働くにはVisaが必要で、発行してもらうには日本国籍の筆者を雇うだけの専門性が求められるということを知りました。

Zen
現実を突きつけられました。急がば回れだと気付きました。

そこで見出した解決方法が、アメリカのMBAです

英語力を向上でき、専門性も身に付けられて、自信にもなる。さらにアメリカのMBAを卒業すると、学生Visaの延長により1年間アメリカで働くこともできます。

先に述べたように、シリコンバレーで働くにはエンジニアが一番の近道ですが、その事実を知ったのはMBA合格後でした。

エンジニアの経験を1年ほど日本で積んでから渡米することも考えましたが、奨学金を保証されていたこともあり、行けばなんとかなると覚悟を決めてMBAに入学しました。

Zen
MBAに行ってからでもエンジニアの勉強する時間ぐらいあると思って、なめてかかってたんです・・・
Zen
でも、行かない理由を数えて逃げるよりも、思い切って渡米する方を選びました(いまとなってはエンジニア経験をしてから行くべきだったと後悔です)。

chapter2 MBA時代のシリコンバレー就職活動~インターンシップ内定ゲット~

MBAに入学した筆者はある日、大学に来ていたリクルーターから、シリコンバレーの大企業はエンジニア以外の外国人採用をほぼしていないことを聞かされました

Zen
ショックでしたね。「あぁ、シリコンバレーから必要とされてない」と落ち込みました。(大げさ)
Zen
やっぱりシリコンバレーで働くならエンジニアでないと厳しいことを再認識しました。

しかし、嘆いてばかりでは何も変わりません。

シリコンバレーにエンジニア以外の職種で何とか就職する方法を考えようと、頭を切り替えました。

そこで、個人の能力で勝負できるシリコンバレーのスタートアップ企業に焦点を絞ることを決意。スタートアップの大半は人材不足なので、外国人労働者を受け入れるためのVisaサポートを行っています。

そして「シリコンバレーでどうしても働きたいから会社を紹介してもらえないか」とMBAのOB・OGへ声掛けするためのTier(ランク)分けしたリストを作成しました。Tierは以下の通りです。

  • Tier1:日本人もしくは日本で働いたことがある人
    日本に親しみがあるので、筆者が日本人であることを強みとして活かせます。
  • Tier2:学内のキャリアマネジメントセンターで繋いでもらった人
  • Tier3:卒業生

学内のパブで知り合っただけの人にも片っ端から声を掛けました。(ナンパかよ、というレベルです)

話が進んだのはTier2以上で、Tier1から7~8件が面接やカジュアルトークまで進みました。

Zen
人脈作りは本当に大事です。人脈が無いとリストも作れません。

インターンが決まったのもTier1からです。紹介された方の知り合いにシリコンバレーのスタートアップ企業のCEOがいると聞き、間をとりもっていただきました。

Zen
保育園のパパ友なのだそう。どこで繋がるか分かりませんね。

スタートアップでは資金繰りが重要ですが、そのCEOはエンジニア出身で社内にファイナンスや資金戦略をできる人がいない状態だったので、筆者は日本で経験したファイナンススキルをアピールしました。

有名な外資系の日本支社で勤務していたこともあり、コンビニのアルバイト程度の時給でなら、と夏休みの2ヶ月間インターンとして雇ってもらえることになりました。

Zen
一気に夢への道が開けた気がしました。

より詳細なアメリカでの転職・就職活動の方法についてはこちらの記事でも解説しています。

>>アメリカでの就職方法 | アメリカの大学院卒で、実際にアメリカで就職した筆者が解説 

chapter3 シリコンバレーのスタートアップインターンシップ時代の活動~フルタイム内定ゲット~

ようやくこぎつけたシリコンバレーでのスタートアップのインターンシップ。このチャンスを逃すまいと、できることは何でも率先して行いアピールしました

Zen
インターン期間の第1ミッションは、会社から必要な人材と思ってもらうこと。第2ミッションはエンジニアスキルを上げることでした。

朝は誰よりも早く出社し、夜は誰よりも遅く帰宅する日々を送り、誰もやりたがらないけどやった方が社内のプラスになる雑用を片っ端からこなしました。

例えば、チャットツール内のグループ整理、ファイルの名前の付け方や格納の仕方のルールを統一、毎朝のごみ捨てとゴミ捨てのルール化、新しく入社した人向けの資料作成、採用面接時の質問リスト整備などです。

また、エンジニアとコミュニケーションを取り、社内でどんなプロジェクトが行われているのかを理解するためにも、休日などの空いている時間は全てエンジニア能力のキャッチアップに使いました。

Zen
エンジニアの基礎知識は大学時代に学んでいたので、YouTubeやテキストを活用して独学で勉強しました。

これらの地道な努力に加えて、キャッシュフローマネジメントのシートを作成するなどファイナンスの専門性とビジネスデベロップメント、プロダクトを作っていくという能力で貢献でき、マネージャーとしてフルタイムの内定を貰うことができました。

筆者は「とりあえずやってみよう!」から始めても、分析して課題を見つけ、必死に努力することで切り抜けることが得意なようです。

一般的な戦略手法ですが、しんどいので実はやり切れていない人が多いように思います。

Zen
このスタートアップ企業でも、『社長はその仕事しなくていいです!僕がやります!』とポジションを作り出しました。
Zen
やっぱり、根性です(精神論が好きです)。

"【筆者の実体験】シリコンバレーでエンジニアとして就職するまで"まとめ

  • シリコンバレーで働くためにアメリカMBAへの道を選択
  • インターン内定に向けて声掛けリストを戦略的に作成
  • フルタイム内定に向けて努力&戦略的にポジション確立

シリコンバレーで就職するために捨てたこと

シリコンバレーへのエンジニア転職の足掛かりとしてアメリカのMBAに通うために、筆者が実施したこと。

それは、「捨てる」ことです。

何かを決意した時は新たに始めることにフォーカスされがちですが、あれもこれもやり出すばかりでは、キャパシティーが無くなります

筆者はMBA受験に必要な勉強時間を捻出するために、多くのものを捨てました。

Zen
捨てられるものは、全て捨てました。

どれだけのものを捨てて受験勉強に充てたのか、お話します。

シリコンバレーで就職するために捨てたこと① 仕事と出世

MBAを目指すまでの筆者は、仕事に人生を捧げていました。(文字通りの仕事人間です)

入社3年目で、経営企画部でファイナンスを担当して責任ある仕事をいくつも任され、ありがたいことに社内からの評価は高かったです。

受験勉強を開始した最初の2~3か月は、仕事を終えてから3時間程を勉強時間に充てていたのですが、疲れから集中力が低下していたようで、全くTOEFLの成績が上がらずに焦りを感じ出しました。

※TOEFLは留学に必要な英語のテストです

Zen
このままじゃ間に合わない。

そして睡眠時間を削っていたために、とうとう倒れてしまいました。

そんな時に、海外MBAホルダーの友人からこう言われました。

友人
今のままではお前は変われない。仕事を捨てる勢いでないと合格しないぞ!」
Zen
今まで根性でなんとかしてきた人生に「衝撃」が走りました。「捨てる??」

筆者は覚悟を決めました。

二足の草鞋を履くことをやめて、会社をクビならないギリギリを保つことにしました。

辞職するという選択肢はありませんでした。なぜなら、MBAは入学直前まで職に就いている人を良しとするからです。

MBAはガッツのある人間を求めていて、受験勉強のために1年働いていない人間はマイナスに評価されます。

よって筆者は、仕事を辞めずに窓際族になりながら勉強時間を確保する必要がありました。

決意してからは仕事ができない人間を演じ、業務量を以前の4分の1~5分の1まで減らしました。

仕事は振られるまでしませんし、振られても忙しいフリをして他の人に投げていました。そうしなければ定時にあがれないからです。今だから言えますが、架空の会議を装って会議室に籠り、英単語を覚えていたこともあります。

Zen
当時、会議室201の部屋を占領していたのは「ボクです!」「すいません!!」
Zen
同僚からの冷たい視線に陰口、本当に辛かったです。

当然、社内評価は5段階のうち5→1まで下がりました。(そんな露骨に下がるのか…)

ここまで人が変わってしまっても会社から呼び出されなかったのには、背景があります。

当時のCFO(最高財務責任者)がMBA卒だったので受験したい旨を相談しており、受験勉強のためにあまり仕事ができなくなることを事前に伝えていました。

きっと、事情を理解したCFOが筆者のことをかばってくれていたのだと思います。

シリコンバレーで就職するために捨てたこと② プライベートの付き合いと娯楽

仕事以外の時間を受験勉強に充てるために、一切の娯楽や、友達付き合いをストップしました。

飲み会などの誘いを断ったため、「付き合いが悪くなった」と去った人もいます。

当時交際していた彼女とのデートはカフェや図書館での勉強だったので、愛想をつかされて泣かれたことも多々あります。(たしかに毎回デートと称して英語の勉強を横でやられたらイヤですよね)

GMAT(MBAに必要な英語力、数学力、分析力を測るテスト)に向けても勉強していたのですが、スコアが前回よりも下がった時にはショックが酷くて茫然自失となり、彼女と彼女のお母さんと食事をする約束をしていたことを忘れてしまい、すっぽかすなんてこともありました。

Zen
これだけ聞くと、ダメンズですね。

なぜここまでやれたのか、覚悟の理由とは?

なぜいろんなものを「捨てる」ことまでして、シリコンバレーにこだわったのかには理由がありました。

人生は「一回」です。

振り返ったときに後悔する人生の選択をしたくなかったんです

海外挑戦で一番のネックになるのは「英語」です。

問題の英語ですが、MBA合格のためには1年間でTOEICの500点から950点以上までスコアを上げる必要があり、厳しい状態でした。(TOEFLよりTOEICがわかりやすいので、点数換算しています)

それでもMBAに挑戦するのは、30歳になるまでの1年間と決めていました。2年間と期限を延ばしたら、2年間に合わせて動いてしまうからです。

Zen
大学受験でも『浪人したらいいや』と思ってる人は受からないのと一緒です。

こうして受験期間を1年と区切り、英語の勉強に集中する日々を過ごしていたのですが、MBA卒業後の進路に自信があった訳ではありません。しかも大手の外資系企業に勤めていた筆者には、このまま会社に居れば部長や事業部長までの出世は見えていました。

Zen
ここで挑戦しないと、きっと後悔してしまう。

筆者を奮い立たせたのは、ある出来事があったからです。

MBA受験を考えていたその年の夏、親友の婚約者がカンボジアでテロに巻き込まれて亡くなるという悲惨な事件が起きました。自分の人生を見つめ直し、後悔しないように生きることを誓うきっかけとなりました。

そんな血の滲むような努力が人とのご縁も引き寄せてくれます。

筆者が受験予定のMBA卒業生に、某IT企業の社長がいました。

筆者はある日パーティーで彼に出会い、今年受験する旨を伝えるとオフィスに招かれました。訪問しプレゼンしたところ、なんと推薦状を書いてくれることになったのです。彼はその大学院で理事を務めていましたので、英語さえなんとかなれば合格は約束されたのも同然でした。

Zen
人脈と運です。運はいいんです。

"シリコンバレーで就職するために捨てたこと"まとめ

  • 何かを始めたいなら、まず捨てることが重要
  • MBA受験のために仕事と出世、プライベートを捨てた
  • 後悔のない人生を送るには、挑戦すること

シリコンバレーで就職するために大事にしたこと

捨てることを決めると同時に、逆に大事にすべきことが見えてきました。

それは、シリコンバレーに行くという自分の信念を貫くこと、その思いを理解し応援してくれる人たち、受験期間を支える健康です。

この3つが無ければ、辛く苦しい受験勉強の日々を乗り越えられませんでした。

自分の信念を貫く

最も大事にしたのは、「自分の決断を信じること」です

たくさんのことを捨てて大勝負に出る訳ですから、気持ちが揺らいでしまってはいけません。

Zen
『点数は上がる!MBA行ったらこんなことやるんだ!』とイメージトレーニングで自分自身を洗脳してました。

とは言え、受験までの道のりが厳しすぎて、何度心が折れそうになったか分かりません。

1年間もの長い期間において、自分の決断を疑わずに居続けることはとてもきついです。その度にシリコンバレーに挑戦したいという初心を思い出し、自分を奮い立たせました。

応援してくれる人

自分の選択に自信が持てなくなった時に助けてくれたのは、筆者を温かく見守り応援してくれる、両親に彼女、数名の友人たちでした

向こうからの誘いは断るのに筆者がしんどくなった時には付き合ってくれて、自暴自棄になっている筆者を優しく諭してくれました。

この人たちの存在が無かったら、孤独感にさいなまれて受験を断念していたと思います。

特に友人たちには感謝しています。

受験1か月前の精神的に追い詰められていた時に、筆者は血迷って

Zen
MBAなんていらない!受験やめて、英語力を身に付けるために日本人が一人も居ない所へ語学留学する。

と急に言い出しました。

プレッシャーに押し潰されそうになっていたのです。

すると、

友人
「たかがMBAだろ、そんなに思いつめるなよ。今日はもう勉強をやめろ」

と友人たちが慰めてくれて、ケーキを買ってきてくれました。

Zen
泣きながらケーキを食べて、現実に戻ることができました(ケーキはあんまり「美味しなかった」とは言えない)。

土台となる健康

1年間の長い受験期間を乗り越えるために、健康にはかなり気を使いました

勉強開始当初に睡眠時間を削り倒れてしまった経験から、睡眠時間は8時間確保することとし、食事もしっかりとるようにしました。

健康を害してしまい、ここぞという時に力を発揮できなければ元も子もありません。

集中力と精神を保ち続けるためにも、土台となる健康が大事です。

Zen
MBA受験の初期に倒れてしまったので、「健康」の大事さが身にしみました。

"シリコンバレーで就職するために大事にしたこと"まとめ

  • 自分の決断を信じ、信念を貫くこと
  • 自分を理解し応援してくれる人たち
  • 長期に渡る受験期間を支える健康

シリコンバレーでエンジニアとして就職する方法 | 現役GAFAエンジニアが解説“まとめ”

仕事もプライベートも捨てて受験勉強に集中するということは、非常に苦しい日々でした。

しかし、ここまでやらないと、英語ができない筆者が1年の準備期間だけでアメリカのMBAに合格するのは無理だったと思います。

Zen
後悔だけが残り、仕事を辞めてたかもしれませんし、病気になってたかも。

現状に満足できず自分を変えたいのなら、最初に取るべき行動は何かを諦めて捨てることです。

上を目指し実現している人ほど、きちんと「取捨選択」をしています。

Zen
捨てるまでは葛藤するけど、一度突き進むと意外となんてことないです。

社内評価も所詮会社という小さな世界の中だけのものですし、辞める時に暴言を吐いてくる人もいたけれど、今でも繋がっていて仕事をサボっていた当時の筆者をネタに笑ってくれる人もいます。

本当の友達であれば一時の間連絡を取らなくても、後で元の関係に戻れます。

既に成功している人たちに短期決戦で追いつきたいのなら、犠牲を伴わないといけません。大きな成功を求めるのなら、それ相応の努力が必要です。

人生の大勝負を勝ちに行くために、まず何を捨てるのか考えてみてください。

シリコンバレーで働くだけでなくGAFAへの転職を検討している方は、GAFAへ転職するために必要なポイントをまとめたこちらの記事も合わせてお読み下さい。

>>【GAFA転職対策はこれで決まり】GAFAへの転職成功に必要な3つのポイント【GAFA転職ルートも解説】

記事のまとめ

ここ画像自動入力

  • 何かを始めるには、まず捨てることが必要
  • 捨てることで、大事にすべきものが見えてくる
  • 一発逆転を狙うなら、甘えを捨てて覚悟を決める

-転職
-, , , , ,

© 2024 挑戦一年目の教科書