- 「外銀にどうすれば未経験で転職できるのか知りたい」
- 「外銀の仕事内容やどんな人が働いているか知りたい」
- 「外銀に興味があるけど、激務・高年収って本当かな」
某掲示板や某ウェブページで就職難易度Sランクの常連、その名は外資系投資銀行。
給与水準が高く、グローバルな環境で成長ができ、外銀後の転職先も選びたい放題であることから、就職先として大人気なのが現状です。
そんな外銀にチャレンジしたい気持ちはあるけれど、自分のキャリアに自信がなかったり、入社後の競争についていけるか不安だったりする人も多数いらっしゃると思います。
そこで、ど田舎の公務員から世界トップクラスの外銀へ転職できたしまったKouが、どのような準備をして、どんなプロセスを経て外銀の内定を勝ち取ったのかを、外銀の業務内容や実情とあわせてお伝えします。
- 外資系投資銀行の業務内容や職場の雰囲気
- 外銀内定のために筆者がやったこと
- 外資系投資銀行入社後のキャリアパス
エリートが集まる「外資系投資銀行」とは
就活生や転職者が「外銀」「外銀」「外銀」と念仏のように唱えていますが、その「外銀」について、業務内容、人気の理由、外銀のカルチャーとフィットするパーソナリティーについてお伝えします。
面接でいざ問われた際に、好きな子の電話番号の様にスラスラ言えるレベルまで脳みそに刻み込んで下さい。
なお外資系投資銀行、略して「外銀」とよく呼ばれていますが、その実態は証券業を行う証券会社であり、銀行ではありません。
つまり、国民から預金を預かり、それを外部へ貸し出す等の預金・貸し出し業務を「外銀」は行っていません(少なくともメイン業務ではありません)*。
*多くの外資系投資銀行はBHC(銀行持ち株会社)であるため、傘下に銀行を有しており、その意味で銀行と言えなくもないですが、世間の皆さまが想像される「外銀」は証券業を主体にしたものかと思われます。詳細を知りたい方は、「外銀、BHC」等でGoogle先生にお尋ねください。
外資系投資銀行って何をしてるところ?
外資系の「投資銀行」は外銀の行う投資銀行業務が由来です。
御存知の通り、投資銀行業務以外にも数多くの業務を担う部署が外銀にはあります。
外銀の部署は大きく分けて、フロント部門とバックオフィス部門の2つに分かれます。
収益を生み出すフロント部門は、主に、以下の4つから構成されます。
- 投資銀行部門(IBD)
- マーケット部門
- リサーチ部門
- アセットマネジメント
1.投資銀行部門(IBD)
投資銀行部門(IBD)は顧客企業のM&Aアドバイザリーや証券・株式の引き受け(証券・株式発行による資金調達)を担当しています。
就活生に大人気の花形部門です。
ハイプレッシャーな現場で、「自分のライフ=時間」を会社に捧げる必要があります。
近年では労働時間の改善が進んだとはいえ、前線=現場で散っていく人も多し。。
2.マーケット部門
マーケット部門では保険会社や銀行等の機関投資家から注文を受けて、株式や債権を販売します。
3.リサーチ部門
リサーチ部門では、外部の顧客や自社のIBDやマーケット部門から依頼を受けて、世界経済やマーケットの情報を分析してレポート等を作成します。
デスクにかじりついて、レポートをひたすら作成するイメージのあるリサーチですが、その内情は様々な情報源=人と関係を構築できる対人能力と、コンサルでも求めれる情報を分かりやすい形に落とし込む構造化力の両者が必要です。
以上がフロント部門のあらましですが、アセットマネジメントも念のため、ご紹介します。
4.アセットマネジメント部門
アセットマネジメント部門(上記の3つの部門と別会社になっているパターン多し)は、保険会社や銀行等の機関投資家から資産を預かり、それを運用することで増やすことを目的とする部署です。
※アセットマネジメント略して「アセマネ」
顧客より巨額の資産を預かり、その預かった資産の額(AUM)に応じてアセットマネジメント会社が手数料を受け取るというビジネスの構造上、金融商品の受発注等での、単発的な顧客との信頼関係ではなく、長期に渡る顧客との信頼関係が重要視されます。
「この部署最強やん」と思った方!皆考えることは同じで、就活でも激戦区です(泣)
バックオフィスはいわゆる管理部門で、リーガル(法務)、人事、財務、コンプライアンス、資金決済を担当するオペレーションなどから構成されます。
直接収益を生むわけではありませんが、フロントを支えるために不可欠な部門です。
なぜ外資系投資銀行は就職先として人気なの?
外銀がなぜ就職先として人気なのか気になっている人も多いはずです。
少ない採用枠に応募が殺到する理由は主に3つです。
1つ目は、単純に給料が高いから
部門にもよりますが、新卒でどんなに低くても年収は800万円~です(会社・部門により多少の前後はあります)。
2つ目に、グローバルな環境だから
日本支社でも多数の外国人社員が在籍しており、英語で働けるグローバルな職場を求めている人からは人気です。
3つ目に、成長できる環境であること。
外銀の1年間で日系証券会社の3年分を経験できると言われています。
日系と比べ人数が圧倒的に少ないため、相当量の業務を任されるので激務ですが、経験を積んだ後のキャリアパスを視野に入れて入社する人も多いです。
例えばIBDで5年ほど勤めた後に株式発行や資金調達の経験を活かし、メガベンチャーのCFOに迎えられたという話もよく耳にします。
外銀出身者は英語が話せるうえ、コミュ力も高く、とにかく働く人たちとして認知されているので、どこでも重宝される人材です。
外資系投資銀行向きのパーソナリティー
いつでも人気者の外銀ですが、求められている人はどんなパーソナリティなのか、内部にいた視点からお伝えします。
先程お伝えしたように、外銀は日系の証券会社と比べて少数精鋭で仕事を回しています。
業務量はかなり多く、優先順位を付けて効率よく仕事を進めることが求められます。
予想外のハプニングや新規の仕事も多々あることから、精神的なタフさに加えて柔軟さも必要で、定型業務をし続けることが好きな人には向かないでしょう。
仕事をする前提として求められるのが、「向上心」です。
世界中から集まった超優秀な社員たちと競うために、自身の業務に関して勉強し続けなくてはいけません。
そしてフロント・バックオフィスどちらにも、コミュニケーション力が不可欠です。
他部署との連携が多く、クライアントから下請けまでさまざまな人とやり取りをする調整能力を問われます。
“エリートが集まる「外資系投資銀行」とは ”まとめ
- 銀行業ではなく証券業が主体
- 部門は大きく1.フロントオフィスと2.バックオフィスの2つ。1.フロント=IBD、マーケット、リサーチ、アセマネ。2.バック=管理部門
- どの部門でもコミュニケーション能力は求められ、外銀マンは転職市場でも高い需要。
外資系投資銀行に転職・入社する方法
就職先として不動のトップを走り続ける外銀に、どうすれば入れるのかをお伝えします。
まず気になる年齢要件ですが、他業界から外銀を含む外資金融に転職する場合、その人のポテンシャルに期待しての中途採用という形になり、その場合の年齢制限は概ね30歳前後です。
なお30歳前後というのは、あくまでそれが未経験者の中途採用のボリュームゾーンということだけであり、例えば40歳を過ぎていても、社歴・職歴が大変素晴らしい方が入社されることも稀ですがあります。
では、入社に必要な条件として、年齢以外にはどのようなものがあるのでしょうか。
中途採用の場合に必要となるその他の条件や定番となっている入社ルートをご紹介します。
外資系投資銀行への転職・入社に必要な条件とは?
ジョブ型雇用である外資では、Job Description(JD)=求人票に記載されている職務範囲にある程度当てはまるスキルを有する人物でないと受かりません。
これは入社1日目から仕事を任せられるような、即戦力を求めているからです。
ない人は私みたいに、陽キャぶりましょう。というか陰キャが生きる道はそれしかない(泣)!
では、例えばJDに業務内容が10個書いてあったとしても、全てを満たしていなければ入社できないのでしょうか?
そこまでぴったりな候補者はそういませんので、ある程度はポテンシャルも含めたうえで採用します。
応募の際は、JD に記載のある職務の半分=50%を満たすような経歴書を作ることを目標としましょう。
例えばファンドの財務分析経験がなかったとしても、経理の経験や、ファンドでない株式会社の形態である法人の財務分析の経験を記載するという方法があります。
次に必要なのは「語学力」。
部署にもよりますが、外資なので英語を話せることは必須条件です。
しかし日本支社の場合はネイティブや帰国子女ばかりではなく、純ドメな方も大勢います。
求められるのは英語でロジカルにコミュニケーションが取れるかどうかです。
外資系投資銀行への転職・入社ルート1:MBA採用
ご存じの方も多いと思いますが、外銀のフロント部門は海外MBA卒業生の採用を積極的に行っており、MBA採用は新卒採用と並ぶ、鉄板の入社ルートです。
これは海外MBAの場合は、外銀が海外MBA卒業生の、外国まで学位を取得に行っているガッツや、英語でのプレゼン・コミュニケーション能力、海外MBAで習得した最新の金融の知識等を評価しているため、新卒とは別に採用ルートを設けているためです。
しかし、卒業すれば入社できるわけではもちろんありません。
とくに金融業界経験がある海外MBA卒業生と比べ、金融業界での勤務経験がない場合は難易度が上がることから、その差を埋めるためのプラスαが必要になります。
例えばMBA在学中に、現地採用で他社の内定を貰っていたり、ファイナンスのプロジェクトで現地企業のコンサル実績を作っていたりすると、外銀側の評価が高いです。
他にも、USCPA(米公認会計士)やCFA(米国の証券アナリスト)の資格を持っていると、本来トップ5のMBA卒以外では途絶えてしまうような大手外銀への道も拓けます。
外資系投資銀行への転職・入社ルート2:やはり多いリファーラル採用
MBA採用は毎年特定の時期に外銀が行う、定期的な採用ですが、それとは別に、リファーラル採用というものもあります。
外銀ではポジションに空席ができると、まずはリファーラルで人材を採用しようとします。
これは自社のことをよく知っている社員に、募集しているポジションの業務や自社の風土に合うと思ってるひとを紹介してもらう=リファーしてもらう形式での採用です。
リファーラル採用はミスマッチが防げ、外銀側としても安心感が増すので優先採用の対象です。
しかも人材派遣会社に選考を依頼すると数百万円の利用料を取られるのに対し、社員の紹介であれば幾らかの報酬を与えるだけで済み、大幅なコストカットにも繋がります。
最も有利に働くのがリファーラル採用なので、大学OB・OG、MBAでなど、外銀に勤めている友人を作っておくことをお勧めします。
外資系投資銀行への転職・入社ルート3:自社サイト、転職エージェント、Linkedin
お伝えしたように、リファーラルが外銀にとり一番望ましい採用方法ですが、リファーラルで人を補充できないケースが多いのも事実です。
そしてその場合、外銀側は自社サイト、転職エージェント、LinkedIn経由で人の募集をかけます。
ですので、定期的に志望する外銀の自社サイトでのポジションの空席情報のチェックはもちろんのこと、転職エージェントへの登録、そしてLinkedInの利用は外銀入社のためには必須です。
そこで転職エージェントについても、下の記事で詳細にその選び方や使い倒し方を解説しとりますので、ぜひご一読下さい。
“外銀に入社する方法”まとめ
- ジョブ型採用である外銀はある程度JDに関連した職務経歴が必要
- 年齢要件(30歳前後)はあるがそれは絶対的でなく、英語に関してはペラペラではなく、コミュニケーションが取れる程度の能力でよい。
- 採用ルートは大きく、1.MBA採用、2.リファーラル採用、3.それ以外の3つ。
筆者の外資系投資銀行への転職・入社のための入念な準備と選考通過のための裏技
筆者は新卒で総合商社に入社するも1年足らずで辞めて、公務員に転職しました。
その後、MBAを挟んでかねてから希望していた外銀への入社が叶うわけですが、どうやって転身したのか、筆者が内定を勝ち取るまでに準備したことをご紹介します。
キャリアチェンジのためのMBAと、プラスα
Kouが若干25歳前後の嘘のような実話です。
そう思った筆者が選んだのは海外MBAです。
漠然とMBAに対して憧れがあったのと、MBAが「魔法の杖」と呼ばれるように、経歴をMBAにより一度リセットすることを期待してのことでした。
しかし、先述したようにMBAは、卒業すれば外銀に転職できるという訳ではなく、外銀はMBA採用があるので面接に行ける確率が若干上がるといった程度のものです。
そこで筆者はプラスαとなるものを準備しました。
言葉では伝えられません!「地獄」これが当時のぴったりの表現です。ネットでUSCPA簡単って書いてある記事全部削除したい
USCPAという武器をプラスして、卒業後の目標は日本ではなく、アメリカで働くための準備をはじめました。
筆者はUSCPAを取得済みであったので、公認会計士の独占業務である「監査」を行う、Big4(4大監査法人)を中心に、ビザのスポンサーとなってくれる企業に就職するプランを描きました*。
*アメリカでは企業が労働ビザをスポンサーしてくれないと働けないので、米国籍や永住権等を持たない外国人はアメリカで働く場合、ビザをスポンサーしてくれる企業への就活がメインになります。
*現在は労働ビザの発給数に対し応募者数が多く、アメリカで働く上でビザが大きな障壁となります。
最初から狙いを定めていたので、あとは「準備と行動」あるのみです。
Big4の担当者が来るイベントに足を運び、顔を売りました。
面接の連続の末にBig4のうち2社からインターンを勝ち取れました。
※アメリカでは、インターンでうまく成果がだせると、内定に繋がります。(フルタイムとも呼ばれます)
吟味して選んだ結果、夏の2か月間、アメリカ東海岸のニューヨークオフィスでインターン生として勤めることになりました。
その後、運良くフルタイムでの内定を頂くことができました。
外銀を含め、MBA採用では必ず、他社で内定を貰っているかどうかを聞かれます。当然優秀な人材ならば、競合他社や有名企業より内定を得ているはずで、一つの選考基準でもあります。
私の場合も、アメリカのBig4の内定が出ているなら優秀な人物に間違いない、と箔がついたことで有利に働き、外銀のリクルーターからLinkedInにて求人情報の提供、つまり外銀の面接を受けないかとお声がかかりました。
外資系投資銀行の選考過程を通過するためのコツとは
いままで外銀の採用ルートとして、MBA採用、リファーラル採用、それ以外の採用と大きく3つの採用ルートをご紹介しましたが、どの採用ルートであれ、選考プロセスは基本的に同じです。
つまり、転職希望者が外銀側に英文の履歴書及び職務経歴書を提出し、書類が採用を行う部署のマネージャーや、皆さんの将来の同僚のお眼鏡にかなった場合、面接に進み、面接の結果が良好であれば採用内定に至るというのが大まかな流れです。
書類選考後の面接では、私の場合、社員2人(マネージャー+非マネージャー)と1時間に及ぶ質疑応答が3セット、計6人と3日に分けて話をしました。
面接官はインド人・イギリス人・日本人で、うち3人がマネージャークラス、残り3人がマネージャーでない社員でした。
志望動機は聞かれませんでしたが、財務・経理のポジションへの募集だったので、会計処理等の専門的な質問と、人柄を見るために、チームで働くことについてどう思うかや、将来のキャリアビジョンについても質問を受けました。
上の質問からわかるように、面接者が評価していた主なポイントは、1.ポジションに関連する専門知識や成果があるか、2.英語でコミュニケーションがとれるか、3.自社の雰囲気に合うか、4入社後のキャリアビジョンを持っているかの4点です。
会社によりカラーはあると思いますが、事前に転職サイトで社風を分析し、それに合わせて自身を面接で表現するといいかもしれません。
よって、弊社であなたは何を行い、どの様に貢献してくれるのか答えて下さいという意味で、みなさんのキャリアビジョンについても面接では聞かれます。
キャリアビジョンが明確だったのが良かったのかもしれません。
面接では、ポジションに関連する専門知識を聞かれると思いがちですが、キャリアビジョンや社風へのフィット具合も見られているので、それらにも気を配りましょう。
最後に、面接で評価を上げる小技ですが、日系企業でいう、四半期報告書にあたる10Q(Q1〜Q3の3回提出)・10K(4Qに提出。年次報告書に相当)を読んでおくべきです。
会計担当でなくても最低限、会社のバランスシートの大きさや、毎年の売上推移や利益、ビジネスセグメントごとの成長率ぐらいは見ておくことをお勧めします。
コラム: Big4と外銀を天秤にかけて
余談ですが、Kouがなぜ「米国採用Big4 vs 日本採用外銀」で外銀を選んだのかをお伝えします。
お伝えしたとおり、筆者はBig4の本社NY勤務と外銀の日本支社勤務の両方から内定を貰えました。
この中から一つを選択するために、大いに悩みました。
理由は会社の評判や、入社後のキャリアパスは両者で伯仲しており、どちらも素晴らしいからです。
米国のBig4で働ければ今後アメリカを中心としてグローバルな仕事が出来ると思いました。
一方で、日本で外銀に入った場合は、圧倒的な成長が期待できると思いました。
筆者の場合は、もともと資産運用のノウハウを学びたかったことと、提示された年俸が外銀の方がかなり良かったので最終的に外銀を選びました。
(米国Big4 の提示額でニューヨークで一人暮らしするには、少し厳しいくらいの額です)
“筆者が外銀に入るために行った入念な準備とは”まとめ
- 自分だけの知識や経験をもとに、他の外銀志願者との差別化を図る
- 面接では職務に関連する知識のみならず、社風やキャリアビジョンにも気を配る
- 10K・10Qを読み、会社概要を頭に入れた上で面接に望む
外銀サラリーマンの仕事内容、キャリアパス、ライフスタイル
外銀への転身を成し遂げた筆者は、ファイナンス部門に所属してフロント部門が行う様々な取引(資金の貸付・投資・株式の発行等)を財務諸表に落とし込む業務や資金決済、官公庁対応など、諸々と担当をこなしました。
実際に勤務することで見えた外銀の職場の雰囲気や、キャリアパスについてお話します。
忙しくて面白い外資系投資銀行の仕事
筆者のメインのお仕事は会計士の立場から、複数の外銀の子会社とファンドの運営を担当しておりました。
その四半期・通年の財務諸表作成・収益/費用予測、監督官庁へのレポーティングや資金移動・資金決済、下請けの管理など、内容は多岐に渡りました。
ファンドの運営一つ取ってみても、資産取得や売却の際、内資系企業では行わないが、アメリカではスタンダードである最先端の手法を学べ、日経に載るような情報を世間より事前に知ることができることから、日々ワクワクしながら仕事をしていました。
また一人で数十社もの企業(SPC)の財務・会計を担当し、それぞれが行っているビジネスの内容が異なることから、多くのビジネスモデルを知ることもできました。
また、外銀では内資系の証券会社が10人で行うような業務量を1人で担当するので、とにかく業務量が多く四半期の締めや、年次の締めの時期は深夜まで働くこともあります。
ですが、分担作業ではなく全行程を一貫して任せてもらえることから、経験値がかなり上がります。
というか、上がらないわけがありません。毎回はぐれメタルを仕留める感じです。
Up or Outの厳しい構造
バックオフィスはフロント部門と比べると、実績=利益を出せないとすぐクビになることはそうありませんが、バックオフィスもフロントも人の入れ替わりが激しいのは確かです。
外資系企業全体に当てはまることですが、競争させることで人材の新陳代謝を高めています。
また多くの外資で使われている、評価方法である360°評価では、上司・同僚・部下から多面的に自分の仕事ぶりや性格上の強み・弱みをジャッジされます。
指摘された箇所を改善できないといずれ退職することになります。
こうして、周囲は優秀な人ばかりで常に成長や昇進を求められ、手を抜くことができずに疲弊してしまう人や、結果を出せずに辞めてしまう人が外資系企業では出てきます。
外資系投資銀行入社後・退職後のキャリアパスについて
新卒で外銀に入ると、アナリスト(1年目)→シニアアナリスト(2~3年目)→アソシエイト(アナリストやシニアアナリストを指導する立場)→バイスプレジデント(VP:チームリーダー)→マネージングディレクター(部長)→パートナー(役員)というふうにキャリアパスを歩みます。
しかし上へ行くほどポストが少なくなり、出世競争が激化し、昇進は狭き門になるので、VPになれず退職する人が多いです。
よって、アソシエイトまで昇格した後、自分が所属している外銀より格下の転職先でVPになり、給与も上がるという転職の仕方がスタンダードになっています。
また、外銀で経験を積んだ後に他業界の企業のCFOに就任するというケースも増えています。
例えば、メルカリのCFOはゴールドマン・サックス出身です。
メガベンチャーまでの規模でなくても、投資や資金調達の経験を活かしてスタートアップステージの企業のCFOに就任する人も少なくなく、外銀以外の新たな業界で挑戦をしたいというポジティブな理由で転職する人も多いです。
同じ金融業界での転職やCFOを目指すわけでもないとしても、とにかく外銀出身者は人気ですので転職先は選びたい放題です。
退職後のキャリアパスが確立されていることも外銀の魅力の一つです。
“外銀サラリーマンの仕事内容、キャリアパス、ライフスタイル”まとめ
- 財務の場合、ミニCFOとして様々な会社の財務・経理を把握し、定型業務以外の新規業務も多数あることから、比較的忙しい
- 給与もよく、ライフスタイルも派手ではあるが、常に自分の昇進を考えて仕事をしなければならないため、ストレスを感じることもあり
- 外銀後のキャリアは金融業界のみならず、事業会社やIT業界への転職も可能であり、自由度がある
“【外資系投資銀行に未経験で転職するには?】公務員から未経験で外銀への転職に成功した筆者が解説”まとめ
外銀へ入社するのは険しき道だと思われがちですが、ご紹介したようにMBAやUSCPAといった知識・資格やJDに関連する業務経験を重ねるなど、地道な努力次第で十分転職は可能です。
また、リファーラル採用が有利に働く場合も多いので、外銀界隈の友人・知人がいる方はその人達と交流をし、募集中のポジションの情報を教えてもらいましょう。
合わせて、LinkedInや自社サイトで求人を定期的にチェックすることも大事です。
記事のまとめ
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- 外銀には高学歴な人材が多数応募するため、学歴以外の分野で自分のオリジナリティーをアピールし、差別化をはかることが転職成功への鍵
- 外銀のどの部署であろうと、コミュニケーションは常に要求される
- 入社後は忙しくも多忙な日々が待つが、外銀の厳しい環境でサラリーマンとしての経験値が上がり、転職市場でも高く評価される人材になれる