- コンサル業に興味があるけど、実態がわからない!!
- 他業界からコンサルへの転職って可能なの?
- どんな外資コンサルではどんな専門性やスキルが身につくのだろう?
某ウイルスの蔓延によって、人々の生活が変化する中で、自身のキャリアや将来像に関しても見直される人は多いのではないでしょうか。
Sho
大企業で研究職をしている私Shoも絶賛自分探しまっしぐらです。
2020年4月に某ウイルスにより緊急事態宣言が政府から発令され、企業としても働き方改革の一環としてテレワーク制度を導入しました。
Sho
社会・企業として働き方が変化してきている中で、ふと外資コンサルってどんな仕事しているんだろう?と疑問に思いました。(唐突感)。
Sho
そこで、昨年外資コンサルに転職した友人に根掘り葉掘り話を聞いてきました。
今回ご紹介する大海さんは、半沢直樹の風貌まんまのバリバリの銀行マンから外資コンサルタントへ転職して、いわゆる個人の「働き方」を変えました。
今回の記事は、外資コンサルに関心があり、違う業界から転職したいけど実態が分からない、そんな悩みを抱えた人の悩みを解消するために作成しました。
外資コンサル業界へ転職してから見、経験したことをメインに、外資コンサルタントの仕事内容・実態について解説します。
また外資系コンサルだけでなく、外資系・グローバル企業にも興味がある方はこちらの記事も合わせて読んでみて下さい。
>>外資系・グローバル企業とは?元外銀マンとGAFAM社員が転職方法・仕事内容・必要な英語力等を解説!
この記事を読んでわかること
- 外資コンサルの業務内容
- 外資コンサルのやりがい
- 外資コンサルのキャリアステップ
- 外資コンサルで求められるスキル
- 外資コンサルを目指す人や外資コンサル志望者がやるべきこと
やはり外資コンサルはレベルが高い
まず、金融業界からコンサル業界から転職した際は、業務内容のギャップが大きいです。
これは金融業界では『金融の専門性』が重要であるのに対し、コンサル業界では『汎用的に通用するビジネススキル・経験』が重要であり、これを身につけているのがスタンダートだからです。
金融からコンサルへの転職後は、最初にギャップを埋めるためのキャッチアップが必要ですが、外資系のコンサル業界はいま右肩上がりに成長しており、従来の枠組みに当てはまらない働き方や、キャリアアップを望む人におすすめできます。
また、コンサル業界は高いビジネススキルが身につくため、『ビジネス界の予備校』と呼ぶ人もいるくらいです。
コンサル業界は事業会社と異なる部分も大きいため、実際に転職をされた方の実体験をもとに、実態が掴みづらいコンサル業界のご説明をしていきます。
現役外資コンサルタントに聞く、外資コンサルに転職した際の働き方の実態
- 金融業界から外資コンサルに転職した人が担当する業務内容
- 転職して感じた外資コンサルタントとしてのやりがい
- 外資コンサルに転職した人達のキャリアパス
- 外資コンサルで求められるスキル
- 現役コンサルタントからみた(外資)コンサル業界に向いている人
- 外資コンサルを目指す人がすべきこと
金融業界から外資コンサルに転職した人が担当する業務内容
- 外資コンサルタントってどんな仕事を日々こなしているのか?
- 業務量が多いのは本当なのだろうか?
- 『金融機関の仕事』と『コンサルタントの仕事』って何が同じで、何が違うんだろう?
全体像として金融業とコンサル業が同じところ、違うところをご説明させていただきます。
Sho
金融機関の仕事はなんとなく想像つくと思いますが、コンサルタントのお仕事って謎に包まれていますよね!
自己紹介(前職での業務内容、転職動機)
『金融業界』と『外資コンサルタント』は何が同じで、何が違うのか?
それぞれどのような仕事をしているのか、どのようなキャリアパスがあるのか、よく分からない人は多いと思います。
大海大河さん(仮名)は新卒で金融業界に入社し、数年間営業職を勤務した後に外資コンサルタントに転職しました。
大海さんが転職活動を経て経験したことを、現場からお伝えできればと思います。
Sho
大海さんの前職の銀行はどんなお仕事でしたか?また、転職しようと思ったきっかけを教えてください!
Sho
みなさま、はじめまして!大海ともうします。前職の金融機関では主に法人営業をしており、企業や団体へ資金調達を提案して、事業成長を支援する仕事をしていました。
1日の仕事内容として、クライアント先にお伺いするための移動時間などが多く、1日に運転した社用車の走行距離は時に200kmを超えるときもしばしばありました。
長距離トラックならぬ長距離社用車のドライバーでしたね。
Sho
そうなんですよ。非常に上下関係の厳しい環境の中で、業務外での接待も非常に多く、心身ともにタフさが求められる仕事でした。
おかげでお酒の種類に詳しくなり、お姉さんのいる飲み屋さんの常連になりましたよ。
中小企業の経営者や財務部門の責任者に対して営業を行うので、高度な金融知識が求められます。かつ営業なので高いコミュニケーション力は必要でした。
しかし、金融業界で身に付く専門性は、お金や金融面の知識に限定されてしまいます。
さすがに金融業界だと金融の知識はマストって感じですね!
Sho
現在だと金融機関の中にも「コンサルタント」という職名が付与されている企業も多くあると思います。
Sho
昨今ではクライアントが自社で解決できないような金融面以外の問題(事業承継・M&A等)を抱えてしまった際に、提携業者を紹介するようなシステムもあります。
ただ現状の金融業界の中で、そのような業務を自ら遂行することはほとんどないと思うので、「コンサルタント」という職名だとしても業務範囲は通常のコンサルタントと比べると狭い印象です。
そのような範疇で仕事をしている中で、経営者等の話から出てくるのは「本業の話」が多く、金融機関や提携会社を紹介するだけでは解決できない問題が多々ありました。
例えばガソリンスタンドの経営者は労働者不足から「無人ガソリンスタンド」を作りたいと話したり、自動車の仕入先部品メーカーの経営者は、「供給品の生産数量が予測できない」などのお話をされておりました。
Sho
そうなんですよ。そこで私は金融面のみの、クライアントに対して本質的な価値提供に繋げられない銀行員としての業務にもどかしさを感じるようになりました。
また、クライアントの要望の多様化に対応する際に求められるスキルがこのままでは身につかないのではないかと思いました。
そこで外資コンサルタントへの転職活動を行い、金融業界から転職しました。
外資コンサルに入社後最初に配属された部署と最初の業務内容
Sho
承知しました。外資コンサルに内定後は転職した同期達とのコミュニティサイトが開設され、入社1ヶ月前から、転職同期達と交流がありました。
Sho
いま外資コンサルはすごく成長していますし、入れ替わりが多い業界なので、会社側も社内の接点を作る努力をしてくれています。
Sho
転職同期と言っても入社時期が同じなだけで、年齢は様々です。転職同期の前職に関しては、同じコンサル会社から転職した人もいれば、IT、広告、金融業界、公務員と、様々な業界からの転職組もいます。
様々な業界から転職してきた人はいますが、総合コンサル会社になると、セクター・部門・サービスラインごとに部署がおおよそ分かれているので、入社後早々に前職と馴染み深い部門に配属されます。
また、入社後の上司はだいたい入社面接時の面接官が直接の上司になります。これはどのコンサル会社も基本的には同じだそうです。なお
コンサルタントの仕事はプロジェクト単位で動いていきます。
入社後にやるプロジェクトや、キャリアプランはどんなコミュニケーションをするんでしょうか?
Sho
入社後すぐに希望するキャリアステップや、今後やってみたいような案件等を面談で話すことになり、最初の業務に関して、私はそこで話した内容に近いプロジェクトに参画することになりました。
プロジェクトは基本的に3ヶ月から1年くらいの期間で参画することになります。プロジェクトに関しては数ヶ月単位で契約更新があり、その際に、貢献度合いや、コストの都合上プロジェクトから外される可能性もあります。
Sho
そうですね!コンサルタントはプロジェクトに参画することで稼働することになり、勤務時間の中で年間のうちにどれだけ稼動したか(稼働率)が定量化されていて、常にどこかしらのプロジェクトに参画していなければならないような仕組みになっています。
最初のプロジェクトの中で、私と同じ世代で新卒でコンサル業界に入社した同僚(勤続年数的には先輩)と仕事をしましたが、コンサルタント業務に関しては求められる能力や専門性が金融業界と異なっているので、『明らかな能力の差』があり、同じ世代でここまで遅れをとっているのかと、とても恥ずかしくなった思い出があります。
Sho
外資コンサルタントの業務内容と外資コンサルタントの1日
外資コンサルタントの方々の業務内容もお聞きしてよろしいでしょうか?
Sho
何回かプロジェクトを経験すると同時に、求められる役割が徐々に変わっていきます。
具体的には資料作成等の事務仕事から、会議をファシリテートするようなプロジェクトを管理する仕事へと役割が変遷していきます。
金融機関で働いていると、なかなか頻繁に資料作成することは求められないと思います。
しかし外資コンサルタントでは、マイクロソフトのofficeソフト(ワード、パワーポイント、エクセル)に関してはショートカットを駆使して、素早く資料を作成することが求められます。
目安としては、マウスを操作せずに資料を作成できる水準でした。この作業を身体に染み込ませ体得することに苦労しましたが、非常に大切なスキルであると考えます。
コンサルの人は基本的にマウス使ってる人を見下すって言いますよね笑
Sho
そのふしはありますね。これが大切なスキルであると直接実感したのは、プロジェクトを管理する立場になってからです。それは端的に言うと、資料を早く作ることが目的ではないということです。
Sho
あくまで資料を早く作ることは、「資料を早く作成することで、余った時間を思考の時間に充当する」ことが目的です。コンサルタントの本質が思考することであると改めて実感しました。
現在ではリモート会議がメインであり、このような一般的なスキルに加え、リモート会議での作法も求められます。例えば素早く画面上に資料を投影しながら、議論ポイントや検討課題を、討議中に素早くメモ(タイピング)をする。
または上司のPCが不調等で、画面を投影できない状態に備えて、資料をあらかじめダウンロードしておいて、緊急事態の時に早急に画面に投影する等、細やかな配慮が必要になってきます。
Sho
このようなプロジェクト内での役割やお作法というものを認識することで、徐々にプロジェクトにおいて中心的な役割になっていきます。
このような形で活躍できないと、良い評価が得られなくなり最終的にはプロジェクトに貢献できない人材とみなされてしまいます。結果としてプロジェクトに参画することができなくなり、一般企業の窓際族のような形で稼動できない状態となってしまいます。
コンサルは一度ダメなレッテルがつくと、もう仲間に入れてもらえなくなりますよね。
Sho
”金融業界から外資コンサルに転職した人が担当する業務内容”まとめ
- 金融業界とコンサル業界では求められるスキルがまったく違う
- コンサルの人がショートカットを使いこなすのはあくまで本質の思考の時間を確保するため
- 活躍ができないと居場所がなくなる
転職して感じた外資コンサルタントとしてのやりがい
外資コンサルタントは、クライアント企業のために全力で働き、日々課題解決に勤しんでいる。
そのように思われる方は非常に多いと思います。では、そのやりがいとは何なのでしょうか。
ここでは、転職したからこそ感じた外資コンサルタントとしての仕事のやりがいについて紐解いていきます。
外資コンサルタントは大企業の役員と接し、クライアントの経営課題・業務改善に直接関わることができる
コンサルタントの方々が普段接するのはどんな方になるのでしょうか?
Sho
外資コンサルタントとして働くと、相対する人のレベルが非常に高くなります。
大企業の役員の経営方針や事業展開に対する考えを直接聞き、今後の方針について議論することができます。
金融業界でも、経営者や財務部門の責任者と面談等で話す機会はあります。
しかし、それは時価総額では数十億円から数百億円ほどの中小企業がメインであり(もちろんすごいですが)なかなか日本を代表するような大企業の役員レベルの方と、今後の経営方針について議論することはできないと思います。
わたしは役員クラスとお話と聞くとびびってしまいますね。
Sho
皆さんが考えられることとして、経験のない私のような金融業界出身のペーペーが、どのようにそのような人たちと議論できるのでしょうかという疑問を持つ方もいると思います。
実はコンサル会社の中には、過去のプロジェクト事例が詳らかにナレッジとして共有されています。
そのシェアされた知見をもとに、今後の方針について、過去の事例等を検討しながら役員と直接議論することが可能です。
つまり先人たちの知識・経験が会社に資産として残っており、その資産を武器に経営者と議論をします。
たしかにそれだと役員側もメリットがあるのでお話の場を持ちやすいですね!
Sho
有識者の方と議論できる環境自体に興奮状態を覚える元金融人も多いと思いますし、企業経営を左右する課題解決に取り組むこともあります。
知識・経験豊富なクライアントとコミュニケーションをし、自らの論理的思考力を持って、課題解決策・業務改善案を提言することができる点は非常にやりがいがあります。
(いつも脳みそが擦り切れそうなくらいまで考えるので疲れますが)
そして自らが関与した施策が大企業で実行されて、社会に大きなインパクトをもたらすことができた際は、大きな充足感を得ることができます。
社運のかかった経営課題に取り組む中で、高い職業倫理観と高い責任感を持ちながら、周囲を巻き込みつつ、企業の成功に寄与することができる点にやりがいを感じるコンサルタントも多い印象です。
コンサルのプロジェクトメンバー、クライアント含め、皆で成功体験ができる
プロジェクト単位で働くことについてお聞きしてよろしいでしょうか?
Sho
プロジェクトに参画すると、プロジェクトメンバーは様々な人員から構成されます。
社内のメンバー、クライアントの経営陣をはじめ、課題の根源が会計部分であれば、経理部門と討論することになります。
現場の業務フローに課題があれば、現場の社員の意見をヒアリングする。販売戦略であれば、営業部と仕事をすることになります。
Sho
様々なメンバーと議論を重ね、課題が出たら解消していくことで最終的にプロジェクトを成功に導きます。限られた時間やコストの中で、成功に導くためには周囲との協力や協業は欠かせません。
チームワーク力を発揮して、プロジェクトを成功に導くことで、通常の仕事では味わうことができない、チームとしての成功体験・達成感を経験できます。
外資コンサルでは専門スキルを身に付けることができる
大海さんが感じられた金融業界とコンサル業界で身につく専門性の違いはなんだと思いますか?
Sho
金融業界と比較すると、コンサルでは汎用的に必要な思考力が身につきます。
金融業界では金融業界に特化した知識・専門性が身につくのに対して、コンサルではもっと応用の効く力が身につくということです。
例えば論理的思考力に関しては、目の前にある課題の真因を選定することになります。複数のタスクを併行して行う意思決定の際にも、重要度や緊急度等の要素の分解をして、タスクを整理して構造化することで、今一番取り組まなければいけないタスクを論理的に選定することができるようになります。
基本的には業界問わず、どの仕事でも活かすことができるスキルですね。
Sho
資料作成業務に関しても、Officeソフトは日本企業の中で標準的なソフトです。一定のレイアウトの表現を身につければ、それを汎用してどの会社のテキストも作成することができるようになると考えます。
エクセルの標準的な計算式等も取得できるので、自分のスケジュール管理ができたり、複雑な計算事務などもエクセルだけで片付きます。
”転職して感じた外資コンサルタントとしてのやりがい”まとめ
- クライアントのレベルが大企業の役員クラス
- プロジェクトごとにチームで成功体験ができる
- あらゆるビジネスシーンで役立つ汎用的なビジネススキルが身につく
外資コンサルに転職した人達のキャリアパス
外資コンサルに転職する人って、どのようにステップアップするのだろう?
どんなキャリアプランをもっている?
そのような疑問に答えるべく、大海さんが働いていて出会った同年代転職入社組や、中途入社の先輩方を見て感じたことや、コンサルタントが一般的にどのような将来を目指しているのか等をご説明します。
外資コンサルに転職した人たちについて・転職同期のレベル感
コンサル業界に入られて、コンサル業界の方々にどんな印象をお持ちになりましたか?
Sho
コンサル業界では、様々なバックグラウンドを持っている人が多いことに驚きました。
同じタイミングで転職して入社した転職同期や、社内で会った転職者を実際に見たイメージとして、非常に目標意識が高い人が多いです。
Sho
働き方に関して、明確な将来像を持っている人が非常に多いです。転職して違う環境で仕事をすることは、それ自体が挑戦することであり、背景に大きな志や目標を持っている人が必然的に多くなります。
社内でのネットワークのみならず、転職組間の、同じバックグランドを持っているからこそ分かち合えるような、コミュニティが社内にいくつか存在していました。
外資コンサルのプロパー社員の雰囲気・印象
Sho
転職組から見た、生え抜き社員の印象は社内ネットワークが非常に強いということです。例えばプロジェクトに参画する際にも、生え抜き社員同士で横の連絡網があり、声がかかったり、いままでのプロジェクトメンバーから「一緒にプロジェクト参画してくれないか。」とスカウトが来ることが多くあるようです。
何らかの原因で膨大な工数を必要とする炎上プロジェクトのような情報もプロパー社員間で握っていて情報が共有されています。
転職後間もなく、何の情報もネットワークも持っていない人だと、何も知らず炎上プロジェクトにブチ込まれることもあるわけです。プロパー社員が入社時から培ったネットワークに関しては、重要であり羨ましく思います。
外資コンサルに転職した人のキャリアパス
コンサル業界の人たちのキャリアパスってどんなものが多いのでしょうか?
Sho
コンサルタントのキャリアパスでは、基本的にずっと同じ会社で働く人はごく僅かです。転職する人のキャリアパスとして多いと思うのは、次の2つです。
1つは同業他社のコンサル会社を渡り歩くキャリアパスです。2つ目は事業会社に転職するキャリアパスです。事業会社に転職する人は、出戻りパターンが非常に多く、中にはコンサルの採用面接時から、ある期間働いてから、事業会社に戻ると事前に伝えている人もいました。コンサル業界でよくあることですが、同業他社に転職する時に条件交渉等が上手くいくと、給料が上がる傾向にあります。
社内でも優秀なプロパー社員よりも多く給料をもらっている転職組も存在することは事実です。コンサルタントはあまり同じ会社に長くいることはなく、待遇面の上昇を期待して転職していきます。
転職組は、すでに転職という挑戦をした人たちなので、通常のプロパー社員よりも意思決定が早く、好条件が出た場合は他社に転職する人がほとんどです。
”外資コンサルに転職した人達のキャリアステップ”まとめ
- 転職組のバックグラウンドは様々
- 生え抜き社員の持つネットワークは強い
- コンサルの次のキャリアは大きく分けて、同業他社への転職と事業会社への転職の2つ
外資コンサルで求められるスキルや身につくスキル【金融業界との比較】
金融機関とコンサルタントは、クライアントに価値を提供するサービス業という枠組みとしては同じとみなすこともできます。
しかしコンサルの業務内容では、金融機関で培ったスキルとはまた別の視点で求められるスキルがありました。
金融機関との業務内容の違いから、大海さん自身が感じたコンサルに必要な代表的な3つのスキルをご紹介します。
顧客業務への多面的な理解(経営視点・現場視点)
コンサルタントに必要なスキルってどんなものがありますでしょうか?
Sho
コンサルタントは現場社員への理解が必要になります。
金融業界でよく「顧客の立場に立った~」あるいは「顧客中心主義~」という経営方針を見受けることがあります。
金融業界で働くことで顧客の立場に立ち、彼らがどの様にビジネスをしているか考える着眼点が身につくと思います。
しかしそれは、顧客の売上や利益率等のマクロな視点での理解に留まります。顧客のIR情報や財務諸表を読むだけで終わりとすることがよくあるわけです。
コンサルタントは「経営視点」を分析することはもちろんのこと、「現場視点」に立った理解も必要になります。
Sho
具体的には、コンサルタントは業務改革のプロフェッショナルとして、顧客(クライアント)に契約して頂く立場です。コンサルタントがなぜ顧客から契約を頂けるかを考えると、それは会社の売り上げを向上し、会社を上手く機能させるツールやフローを理解して、集約されるデータを見直し、システムを開発あるいは改修して、業務が改善されることが期待されているからです。
システムや機能の見直しのみならず、それを現場単位に落とし込み、実際に現場にいる社員様が利用でき、”業務”単位で効率化できる粒度まで落とし込む必要があります。
Sho
対象の業務が具体的に特定・理解できていないと、目的と結果が結びつかない業務改善が行われてしまいます。
現場視点で業務をプロセスとして理解していくことが必要になります。実際に入社してから、経験したプロジェクトでは「業務フロー図」を作成することが多くありました。
業務フロー図とは、「現行(As-Is)業務」や「あるべき(To-Be)業務」を可視化するために作成するものです。
業務フロー図作成にあたっては、実プロジェクトの目的に照らして、記述フォーマットや記述レベル、記述ルールが個別に定まっていることが多いので、汎用的な方法論として「スイムレーン」「SIPCO」「LOVEM」等の内容を知っておくことは不可欠です。
プロジェクトマネジメント能力・技法
Sho
コンサルタントとして仕事をする上で、プロジェクトに関与しない人はほぼいません。
金融機関の営業では、定期的に目標・予算が設定され、月が変わると予算がリセットされ同じ業務の繰り返しがほとんどです。
予算を達成しても、また違う予算・目標が設定されることになります。
しかし、コンサルタントが金融機関の営業と大きく異なるのは、社外のメンバーと限られた時間内に定められた成果を出す必要があるということです。
そこで必要になるのが、プロジェクトマネジメント経験です。
たしかにコンサルといえば、プロジェクトマネジメントってイメージがあります!
Sho
プロジェクトとは、「独自のプロダクト、サービス、所有を創造するために実施する有期性のある業務」と定義されています。
言い換えると、「目的である製品やサービスを作成するために期限のある一時的なお仕事」です。
ここで言う「独自」とは、以前と同じことを繰り返すルーティンワーク以外のことを指し、「有期性」とはゴールが定まっていることを示します。
「ゴール」を明確にし、計画や目標を設定し、様々な知識や技法を駆使してプロジェクトを成功に導きます。
Sho
プロジェクトには通称「PM」やプロジェクトマネージャーと言われる、プロジェクトマネジメントの専門家がいます。
プロジェクトマネジメントに関しては、PMだけが作業すれば良いものではありません。私自身も入社してすぐにPMの下に所属して、さまざまなタスクをこなしました。
プロジェクトを円滑に進めるために、最低限の知識として体型的なプロジェクトマネジメント技法である「PMBOK」等を書籍を通じて学習することが必要です。
ビジネススキル(論理的思考力・構造把握力)
ビジネススキルの観点もお聞きしてよろしいでしょうか?
Sho
コンサルタントとして日常業務を進めるためには必須のスキルがあります。
論理的思考力や構造把握力といったビジネススキルは、一般的にどのような業界・仕事でも求められるスキルですが、入社して間もないコンサルタントは特に必要なスキルです。
こういったビジネススキルとしての一定の思考法を身につけることで、顧客や社内のメンバーと適切にコミュニケーションできるようになり、全体として最適なパフォーマンスが発揮できるようになり、現場で活躍できると思います。
Sho
具体的には、「顧客業務への多面的な理解(経営視点・現場視点)」の中で、お客様の現在の業務の課題を理解し、システム導入のメリット・デメリットを評価することに用います。
コンサルタントとしての基礎スキルである、「構造化」、「推論」、「仮説思考」は、普段から自分の所属する業界内でや、顧客への案件の提案の際に意識して、練習すると良いと思います。
Sho
具体的には状況整理の入り口となるフレームワーク(PEST、5Force、3Cなど)の理論を覚えましょう。
金融業界でも社内や社外で明確なコミュニケーションが要求されましたが、コンサルタントは、より論理的に考えて相手に伝える際の論理展開の刻み度合いを、相手への意外性を見極めながら調整するレベルまで必要です。
若手の場合は、入社後すぐに顧客の前でプレゼンテーションをする機会も多くはないですが、顧客の問題解決に繋がる提案・提言を行うことができるようになります。
”外資コンサルで求められるスキルや身につくスキル【金融業界との比較】”まとめ
- 顧客の業務の多角的な理解
- プロジェクトマネジメント
- フレームワーク化や思考力等のビジネススキル
現役コンサルタントからみたコンサル業界に向いている人
コンサル業界に行くには、相当にハイスペックな人である必要があるように見えるかもしれません。
「頭が切れていて常に論理的」、「美しい資料を作り顧客に納得してもらうプレゼン能力」、「膨大な量の資料やデータを分析するプロ」など外部からみるとコンサルタントに必要な能力は多岐に渡っているように見えます。
『志望してみたいけど、自分に適性があるのか分からない』と躊躇してしまいますよね。
そこで、現役のコンサルタントから見た、コンサルの仕事が向いている人の特徴を主に3つ紹介します。
論理的思考力・問題解決力がある人
コンサルに向いていそうな人の特徴ってありますでしょうか。
Sho
クライアントへの課題解決案の提示から、上司への報連相(報告・連絡・相談)まで、あらゆる局面で、自らの行動や考えを論理的に、構造的に説明することが求められる職場です。
状況整理のフレームワーク等を説明しましたが、日常生活においても、そのような視点を持って物事を洞察する姿勢が強い人が向いています。
Sho
つまり目の前の問題が起こった際に、原因等を顧みずに「とりあえずやってみよう」というような行動力を持ち合わせた人柄よりは、なぜその問題が起こってしまったのか、内容・原因等を分析して、具体的な解決策まで仮説して深考するタイプの人がコンサル業界に、非常に向いていると思います。
また、通常の業務内でプロジェクト等にアサインされる方がほとんどですが、クライアント企業の現状・財務分析・経営状態等をこと細やかに分析して、どのような問題を抱えているのか、洗い出さなければいけません。
その中で、抽象的な考え、個人的な主観等で洗い出すのではなく、客観的に解決に結びつくようなものを導かなければいけませんから、そのような性格の人が向いていると言えるでしょう。
娯楽力・人を楽しませる力がある人
Sho
物事を論理的に考え、構造的に整理できる人は確かにコンサル業界に向いています。
そして、導き出した課題解決策に対してクライアントに説明する際に、抜け漏れなく論理的にプレゼンし、これが有効な解決策であると提言できる人は、なお良いでしょう。
しかし、このような内容を理路整然に話すだけでは、クライアントには満足してもらえないと思います。
Sho
不思議ですよね。それは結果がわからないからです。論理的思考力だけでは結果は確定しないので、クライアントは満足しないのです。
よくコンサルタントの業務は「絵に描いた餅」と揶揄されることがあります。「絵に描いた餅」という意味は、どんなに綺麗に美しく餅を描いても食べられることはないように、実物でなければ価値を見出さないことを指します。
Sho
つまりコンサルタントの課題解決案はあくまで机上の空論であり、実際にクライアントが業務内で実行して成果を出すことに本質的な価値があります。
つまり、ただ解決策を提示するコンサルタントは、クライアントからしたら当たり前なのです。どれだけ綺麗な答えがあったとしても、誰も実行してみなければ結果は分かりません。
そして満足度は上がりません。その中で、クランアントが驚くような提言や、一緒にプロジェクトを進める中で、ユーモアや楽しませる力を持っている人はクライアントに好かれることが多いです。
課題解決策を実行する中で、将来を期待できるような気持ちにさせる、ユーモアを持ち合わせた人は魅力的であり、通常のコンサルタントやコンサル業界他社との差別化が図れる点であると思うので、コンサルタントに向いていると考えます。
芸術的な趣向力がある人
頭の回転力があり、ユーモアがある人…厚切りジェイソン??!
Sho
論理的思考力を兼ね備え、さらにクライアントを楽しませることができるユーモア、エンターテイメント性を持った人材はコンサルタントに向いてるとお話させていただきましたが、最後にコンサルタントに向いている人の性質として取り上げせていただく能力が「芸術的な趣向力がある人」です。
プロジェクトに配属されると、資料作成時は、基本的にコンサル会社のレイアウトに従うものもある一方で、クライアントのドキュメントフォーマットを踏襲するプロジェクト等も存在します。
資料を美しく作成するためには、スライド作成がうまい人のスライドを汎用化して、自分なりに工夫して応用したり、プレゼン内容と照らし合わせて、アウトラインを調整したりすることは必要です。
しかしクライアントの資料を見ると、そこに記載されている内容や言葉から、大切にしている文化や価値観等を感じることができます。
Sho
そうですよね。クライアントの価値観を理解するための芸術的な趣向力を持つことが必要であり、このような能力を持つことで、クライアントとの連携が上手くとれ、結果として深い関係性を築くことできます。
そのため、日頃から幅広い価値観に触れるためにも、芸術的な作品を幅広く見て、自らの叡智を高める人がコンサルタントに向いていると思います。
ここまで読んできて、外資系コンサル以外のキャリアの選択肢も検討したいと思った方は、外資系・グローバル企業の実態をまとめた記事も用意しておりますので、参考にしてみて下さい。
>>外資系・グローバル企業とは?元外銀マンとGAFAM社員が転職方法・仕事内容・必要な英語力等を解説!
”現役コンサルタントからみたコンサル業界に向いている人”まとめ
- 論理的思考力・問題解決力
- 娯楽力・人を楽しませる力
- 芸術的な趣向力
外資コンサルを目指す人がやるべきこと
実際にコンサル業界に挑戦してみたい人もいると思います。
どのようなアクションをとるのが効果的なのか難しいですよね。
ここでは実際に、外資コンサルを目指す際に行うと良いと思ったものを主に3つ紹介します。
求人情報を頻繁にチェックする
大海さんがコンサルに転職してみて、コンサル業界に転職したい人が知っておくべきことってありますでしょうか?
Sho
私が転職活動をした経験や、周囲から聞いた情報をもとにお話しさせていただくと、まずコンサルタントの転職求人は常に募集されているというわけではありません。
募集形態(中途・第二新卒等)や部門によっても募集時期や募集人員は異なっております。コンサル業界はクライアントから契約頂くことで、はじめて売上計上できるという業界体質です。
つまり景気が良い時は、プロジェクトの案件数も増えて、人員増強も必要になりますし、不景気な時はプロジェクトの契約が切れて案件の数が減ってしまい、プロジェクトに参画できる可能性が低くなったりします。
求人動向についても、社内でプロジェクト案件数、人員需要が、参画人数を大きく上回ってしまうと、外から人員を補強するために求人を掲載したり、募集人員を増やすことがあります。
つまり案件次第で求人が増えたり減ったりするということですね。
Sho
面接時に面接官が直接上司になることからもわかるように、必要となる人員は、基本的には適材適所で決定されているように感じます。
求人情報も定期的に更新されやすいので、自分が希望する、好条件な求人情報が出た際に、いち早く応募できるように、定期的に求人情報は確認するべきであると思います。
転職エージェントに複数登録する
具体的にやっておくべきアドバイスはありますでしょうか?
Sho
コンサルタントの求人は、企業HPに直接掲載されるものもあれば、転職エージェントから紹介されるケースもあります。特にコンサルタントの求人に特化した、転職エージェント等は多数存在するので、そういったエージェントに登録しておくことをお勧めします。
基本的などこの転職エージェントに関しても、紹介される求人内容については相違はありませんが、情報連携の頻度やスピード、また対策指導の丁寧さなどはエージェントによって大きく異なりますので、複数の転職エージェントに登録することをおすすめします。
ただ、あまりに多くのエージェントに登録すると、情報整理が困難になってしまうので、ある程度の数で線引きした方が良いでしょう。
私の場合は3-4社の転職エージェントに登録して、それぞれから定期的に情報共有頂いておりましたので、ご参考になればと思います。
コンサルタントの友人がいれば相談する
Sho
すべてのコンサル会社が持っている制度というわけではありませんが、一部のコンサル会社では「社員紹介制度」というものが存在します。
現役社員が候補者を会社に紹介すれば、特殊な選考プロセスで採用が進んだり、内定すれば内定者と紹介者、双方に数10万円の現金給付がある等、メリットが多くあります。
また、コンサルタントの業務内容や具体的な仕事内容については、インターネット等で情報収集は可能ですが、現場の人に聞くことが一番であると思います。
Sho
公に公表されている内容は、情報が古いものも多々あり、社内の人に聞く、又は情報の確認を取ることで、最新の社内戦略や方針等を聞くことができる機会になります。
こういった「社員紹介制度」はメリットが多くあり、選考対策等も合わせて行える点から、もし周囲にコンサルタントの友人がいれば、一度話を聞いてみた方が良いと思います。
- 求人情報を頻繁にチェック
- 転職エージェントに複数登録
- コンサルタントの友人がいれば相談
“外資コンサルの実態!現役コンサルタントに聞く転職方法・仕事内容・身につくスキル・キャリアパス“まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、金融業からコンサル業界に転職をした大海さんにお話を伺いました。
コンサル業界に実際に身を置いている人から見た貴重なご意見でした。
Sho
私もコンサル目指そうかな。さて、最後にまとめです。
- 外資コンサルの業務は経営課題の特定から、現場でのプロセス改善に至るまで多岐にわたる
- 外資コンサルで求められるスキルはビジネスとしてのスキルのみならず、人としての魅力を含み、非常にレベルが高い
- 転職の際は、エージェント・社員紹介等を上手く活用する